愛犬がドッグフードを食べない7つの原因とは？対処法も解説

「いつものドッグフードを出しても、愛犬がまったく食べてくれない…」そんな経験はありませんか？

愛犬がドッグフードを食べないと、飼い主さんとしては心配になってしまうでしょう。

食べない理由はさまざまで、体調不良のサインである可能性もあれば、単なるわがままやフードへの飽きということもあります。

そこでこの記事では、愛犬がドッグフードを食べない7つの原因から、今すぐ試せる効果的な対処法、食べない理由の見分け方まで、詳しく解説していきます。

愛犬の健康を守るためにも、ぜひ参考にしてみてください。

愛犬がドッグフードを食べない7つの原因

愛犬がドッグフードを食べなくなると心配になってしまいますが、実はさまざまな理由が考えられます。

原因がわかれば、適切な対処法も見えてくるため、まずは愛犬が食べない理由をきちんと見極めることが大切です。

ここでは、愛犬がドッグフードを食べない7つの原因について詳しく解説しましょう。

体調不良がある

食欲は健康のバロメーターでもあるため、愛犬が急にドッグフードを食べなくなったら、まず体調不良を疑いましょう。

口の中のトラブルは見落としがちですが、歯周病や口内炎、歯の痛みがあると、食べたくても食べられないことがあります。

愛犬が痛みを我慢している場合もあるため、飼い主が気づかないうちに歯や歯茎に問題を抱えているケースも少なくありません。

また、胃腸の不調も食欲不振の大きな原因です。

吐き気や下痢、便秘などがあれば、消化器系に問題があるサインかもしれません。

特に注意したいのは、食べない状態が丸一日以上続く場合や、元気がない、水も飲まない、嘔吐や下痢がある、といった症状が伴うケース。

いつもと違う様子が見られたら、体調不良の可能性を第一に考えることが大切です。

お腹が空いていない

犬も人間と同じで、お腹が空いていなければ食べたくないものです。

特に注意したいのが、おやつの与えすぎ。

可愛いからと言ってつい欲しがるたびにおやつをあげていると、食事の時間になってもお腹がいっぱいで食べる気が起きません。

また、前の食事の量が多すぎた場合や、運動量が少ない日も食欲が落ちることがあります。

室内で過ごす時間が長い場合は消費カロリーが少ないため、思ったほどお腹が空いていないケースも珍しくありません。

飼い主さんが適切だと思っている食事量でも、愛犬の体格や運動量によっては多すぎることもあるでしょう。

特に小型犬は体が小さい分、少しのおやつでもお腹がいっぱいになってしまいます。

また、トレーニング中にご褒美としておやつを何度も与えていたり、家族それぞれが気づかずにおやつをあげていたりすると、知らず知らずのうちに食べすぎになっていることも。

食事を残したからといってすぐに心配する必要はなく、まずは生活リズムを見直してみることが大切です。

わがままによるもの

犬は賢い動物なので、「食べなければもっと美味しいものがもらえる」と学習してしまうことがあります。

ドッグフードを食べないでいると心配した飼い主さんがおやつをくれるなど、美味しいものを食べられた経験を繰り返すうちに、「待っていれば良いことがある」と覚えてしまうのです。

もともと食が細い犬や、一度病気で食欲が落ちた経験がある犬は、飼い主が過保護になりやすく、わがままを助長してしまうケースもゼロではありません。

また、間の食事中に欲しがる様子を見せたときにテーブルから食べ物をあげてしまった経験があると、それも「ドッグフードより美味しいものがある」という学習につながります。

わがままによる拒否は健康面では問題ないものの、栄養バランスが偏ったり、食事のリズムが乱れたりする可能性があるため注意が必要です。

ストレスがある

犬は繊細で、環境の変化やストレスによって食欲が落ちることがあります。

引越しや模様替え、新しい家族やペットが増えた、飼い主の生活リズムが変わったなど、日常のちょっとした変化がストレスになることも珍しくありません。

また、雷や花火などの大きな音、来客が多い、長時間の留守番なども、愛犬の性格によっては大きなストレス要因です。

工事の音や掃除機の音など、日常的な音でも敏感に反応する子もいるでしょう。

さらに、飼い主の感情も犬に伝わりやすく、家族間の喧嘩や緊張した雰囲気を敏感に察知して、不安を感じてしまうこともあります。

ストレスによる食欲不振の場合、フードを食べないだけでなく、吠える回数が増えたり体を舐め続けたり、家具の陰などに隠れるといった行動も同時に見られることが多いです。

好き嫌いがある

犬にも味の好みがあり、特定の食材や味が苦手な場合があります。

例えば、魚ベースのフードは好きだけどチキンやビーフは苦手、ウェットフードは好きだけどドライフード苦手など、好き嫌いによってフードを食べなくなるケースもあります。

フードの粒の大きさや硬さ、油分の量なども好みに影響する要因の一つです。

また、小型犬は大きな粒を食べにくいと感じることがあり、粒が大きすぎると食べづらさから食欲が減ってしまうこともあるでしょう。

好き嫌いは、子犬の頃から色々な味や食感に慣れていないことが原因になることもあります。

過去に食べたフードでお腹を壊した経験があると、似たようなにおいや味のフードを避けるようになる場合も考えられます。

味に飽きてしまった

同じドッグフードをずっと与え続けていると、犬も味に飽きてしまうことがあります。

嗅覚が優れている犬にとって、フードの香りはとても重要。

同じ味、同じにおい、同じ食感が毎日続くことで、犬も新鮮さを感じられなくなってしまうのです。

また、開封してから時間が経ったフードは香りが飛んでしまい、魅力が半減してしまいます。

湿気を吸ったフードも風味が落ちて、愛犬にとっては美味しくなくなっていることがあるのです。

同じフードでも、製造ロットによって微妙に味や香りが変わることがあり、それを敏感に察知する犬もいます。

最初は喜んで食べていたフードでも、数ヶ月経つと興味を示さなくなることは珍しくありません。

飽きによる食欲不振は健康上の問題ではありませんが、必要な栄養が摂れなくなると体調に影響が出る可能性もあるため、早めに気づいてあげることが大切です。

成長／老衰の過程

犬の食欲は、ライフステージによっても変化します。

子犬の頃は成長期で食欲旺盛でも、成犬になると必要なカロリーが減り、自然と食べる量が落ち着くことがあります。

子犬から成犬になる過程で急に食べなくなったように感じることがありますが、体重が安定していれば、成長段階に応じた適切な食事量に調整されている可能性も十分に考えられます。

また、シニア期に入ると、代謝の低下や運動量の減少、歯や顎の衰えなどから、食欲が落ちていきます。

高齢になると消化機能も衰えるため、一度に食べられる量が減ることも考えられるでしょう。

嗅覚や味覚も年齢とともに鈍くなり、食事への興味が薄れていく場合もあるかもしれません。

老化に伴って食が細くなるのは自然な変化ですが、急激な体重減少が見られる場合は、老化以外の病気が隠れている可能性もあるため、注意が必要です。

成長過程や老化による食欲の変化は、その子のライフステージに応じた自然な現象ですが、様子をよく観察することが大切だと言えるでしょう。

愛犬がドッグフードを食べない時に試したい対処法

愛犬がドッグフードを食べてくれないと、飼い主としては心配でしょう。

しかし、原因がわかればそれに合わせた対処法を試すことができます。

ここでは、犬が食べない時に効果的な7つの対処法をご紹介します。

愛犬の様子を見ながら、無理なく取り入れられるものから始めてみてください。

フードを変えてみる

今与えているフードが愛犬の好みに合っていない可能性があるなら、別のフードに切り替えてみるのも一つの方法です。

市販のドッグフードには、チキン、ビーフ、ラム、魚などさまざまな味があり、粒の大きさや硬さ、ドライタイプやウェットタイプなど種類も豊富です。

同じメーカーでもフレーバーを変えて試してみると、驚くほど食いつきが変わることもあるでしょう。

プレミアムフードや無添加フードなど、素材にこだわった商品も選択肢に入れてみるのもおすすめです。

一方で、手作りフードに挑戦するのも良いかもしれません。

鶏肉や野菜を煮込んだものなど、新鮮な食材で作った食事は香りも良く、愛犬の食欲アップにつながる可能性があります。

ただし、栄養バランスや体調を考える必要があるため、獣医師に相談しながら進めましょう。

また、フードを切り替える時は急に全部を新しいものにするのではなく、今までのフードに少しずつ混ぜて、1週間ほどかけて少しずつ慣らしていくことが大切です。

食器を変えてみる

意外かもしれませんが、食器の素材、大きさ、深さなどが愛犬にとって食べにくさの原因になっている可能性も考えられるため、食器を変えるだけで食べるようになることがあります。

例えば、金属製の食器の場合は歯が当たる音が響いたり、プラスチック製の場合は独特のにおいが気になる子もいるかもしれません。

陶器製の食器は安定感があり、においも気になりにくいため、多くの犬に適しています。

また、食器の高さも重要です。

床に直接置いた食器だと、首を下げて食べる姿勢が負担になることがあります。

特に大型犬やシニア犬、首や関節に問題がある犬には、食器台を使って高さを調整してあげると食べやすくなるでしょう。

さらに、食器が滑りやすいと食事中にストレスを感じることがあるため、滑り止めがついたものや重みのある安定した食器を選ぶのもポイントです。

食器を変えて食欲が出た場合も、食器は小まめに洗って、においや汚れが残らないように清潔感を維持しましょう。

食生活を変えてみる

食事の回数やタイミング、量を見直すことで、食欲が戻ることがあります。

成犬の場合、一般的には1日2回の食事が推奨されていますが、一度にたくさん食べられない子や、シニア犬など1日3〜4回に分けて少量ずつ与える方が良い場合もあるでしょう。

食事の時間もポイントです。毎日できるだけ同じ時間に与えることで体内時計が整い、自然とお腹が空くリズムができてきます。

また、おやつの量や与え方も見直してみましょう。

おやつを与えすぎていると食事の時間にお腹が空かないため、ついあげすぎてしまっている場合は注意が必要です。

トレーニングのご褒美には、おやつの代わりにドッグフードを数粒使うのも良いかもしれません。

食事の量についても、パッケージに書かれている給餌量はあくまで目安なので、愛犬の体型や運動量に合わせて調整が必要です。

太り気味なら少し減らし、痩せ気味なら増やすなど、体重の変化を見ながら適量を見つけていきましょう。

量の調整に悩んだ場合は、かかりつけの獣医に相談してアドバイスをもらうと安心です。

運動量を増やしてみる

運動量が足りていないと、エネルギーが消費されず、食事の時間になってもお腹が空かないことがあります。

適度な運動はお腹を空かせるだけでなく、ストレス解消の効果も期待できます。

例えば、毎日の散歩の時間を少し長くしたり、回数を増やしたりしてみましょう。

ただ歩くだけでなく、途中で走ったりボール遊びをしたりと、愛犬と楽しみながら体を動かすのがおすすめです。

室内の場合は、おもちゃを使った遊びやかくれんぼ、おやつを探すゲームなど、頭と体を使う活動を取り入れるのもぴったり。

犬は狩りをしていた動物なので、獲物を追いかけるような動きは本能を刺激し、心身ともにリフレッシュできます。

ただし、食事の直前に激しい運動をすると興奮して食べられないこともあるため、散歩は食事の1〜2時間前に済ませるのが理想的です。

また、食後すぐの運動は身体に負担をかけてしまいやすいため、避けるのが安心でしょう。

愛犬の年齢や体力、性格に合わせて、無理のない範囲で運動を増やしてみてください。

フードの与え方を変えてみる

同じフードでも、与え方を工夫することで愛犬の食いつきが良くなることがあります。

まず試したいのが、フードを温めること。電子レンジなどで数秒温めると、香りが立って食欲をそそります。

犬は嗅覚が鋭いため、温めることで香りが強くなると、興味を示しやすくなるため、ぜひ試してみたい方法です。

ただし、熱すぎると火傷の危険があるので、人肌程度の温度にしましょう。

次に、フードをふやかす方法もあります。

ドライフードにぬるま湯を加えて10〜15分ほど置くと、柔らかくなって食べやすくなるケースもあります。

特に子犬やシニア犬、歯や顎に問題がある犬にとっては、食べやすさが増し、食欲が戻ってくるかもしれません。

また、トッピングを加えるのもおすすめです。

茹でた鶏肉や野菜、犬用のふりかけなどを少量混ぜると、風味が変わって食いつきが良くなります。

ただし、栄養バランスが崩れないようにトッピングの量を増やし過ぎないことに注意が必要です。

食事のサポートをしてみる

愛犬が食べにくそうにしている時は、直接的なサポートをしてあげるのもおすすめです。

食器を手で持って口元に近づけてあげたり、最初の一口を手であげたりすることで、食べ始めるきっかけになることもあります。

飼い主の手から少量ずつ与えることで、安心して食べられる子もいるでしょう。

ただし、これが習慣になると飼い主の手からしか食べなくなる可能性もあるため、あくまで一時的なサポートとして考えることが大切です。

また、シニア犬や体調が優れない犬の場合は、首や腰に負担がかからないよう食器台で高さを調整したり、体を支えてあげたりすると食べやすくなることがあります。

視力が衰えたシニア犬には、食器の位置を教えてあげたり、においで誘導してあげたりするのも良いでしょう。

動物医院に相談する

食欲不振が続く場合や他の症状が見られる場合は、必ず動物病院を受診しましょう。

食べない状態が続いたり、体重の急激な変化、嘔吐や下痢など気になる症状がある時は、病気の可能性もゼロではありません。

特に子犬やシニア犬は、体力が落ちやすいため、早めの受診が大切です。

動物病院では、歯周病や口内炎など口の中の問題、胃腸の病気、肝臓や腎臓などの内臓疾患、ホルモンの異常など、さまざまな可能性を検討してもらえるでしょう。

また、かかりつけの獣医師に相談することで、愛犬に合ったフードの選び方や食事の工夫についてアドバイスをもらうこともできます。

栄養バランスを考えた手作りフードのレシピや、サプリメントの使用についても質問してみると良いでしょう。

食欲不振にはさまざまな原因が考えられるため、自己判断で様子を見続けるよりも、専門家に相談する方が安心なケースもあります。

定期的な健康診断も病気の早期発見につながるため、続けていきましょう。

愛犬がドッグフードを食べない理由の見分け方

愛犬がドッグフードを食べない時、まず大切なのは「なぜ食べないのか」を見極めることです。

正しく見分けることで、適切な対処ができるようになるでしょう。

ここでは、愛犬がドッグフードを食べない理由の見分け方について3つのポイントに分けて解説していきます。

フード以外のものは食べているか

ドッグフードを食べない時に確認したいのが「他のものは食べるかどうか」です。

おやつや好物は喜んで食べるのにドッグフードだけを残すようなら、体調不良ではなく、わがままや好き嫌い、味に飽きている可能性が高いでしょう。

この場合、健康面での心配は少なく、フードの種類を変えたり、与え方を工夫したりすることで解決できることが多いです。

一方、大好きなおやつにも興味を示さない、水も飲まないという状態なら、体調不良のサインと考えられます。

食べ物全般に興味を示さない場合は、もしかすると口の中の痛み、胃腸の不調、発熱など、何らかの体調不良が隠れているのかもしれません。

愛犬の食べる様子をよく観察して、何なら食べるのか、何も食べないのかを確認することが、原因を見極める第一歩だと言えるでしょう。

最近環境の変化はなかったか

犬はとても繊細な動物なので、生活環境の変化がストレスとなり、食欲不振につながることがあります。

近況を振り返ってみて、最近何か変わったことはなかったでしょうか。

引越しや家族構成の変化、飼い主の生活リズムが変わったなど、人間にとっては些細なことでも、愛犬は大きなストレスを感じているのかもしれません。

また、雷や花火、工事の音など、大きな音がする出来事があった後に食欲が落ちることもあります。

環境の変化が原因の場合は、数日程度様子を見ていると食欲が戻ることが多いですが、長引く場合は他の原因も考える必要があります。

もし思い当たる環境の変化があれば、できるだけ元の生活に戻したり、愛犬が安心できる環境を整えたりするなど工夫してみましょう。

口内トラブルがないか

見落としがちですが、口の中のトラブルが原因で食べられないケースも少なくありません。

歯周病、歯肉炎、口内炎、歯が欠けた、口の中に何か刺さっているなど、口の中に問題があると、食べたくても痛くて食べられません。

口内トラブルがあると、口のにおいが以前より強くなったり、よだれの量が増えたり、口を気にして前足で触るなどいくつかのサインが見られることが多いです。

食べる時に食べ物をポロポロこぼしたり、片側だけで噛んでいたりする場合も、口の中に痛みがある可能性があります。

口を触られるのを嫌がるようであれば、もしかすると痛みがあるかもしれません。

早めに動物病院を受診し、必要であれば治療も検討してみると良いでしょう。

愛犬がドッグフードを食べない時にやってはいけないこと

愛犬がドッグフードを食べないと心配になりますが、焦って間違った対応をすると、かえって状況が悪化することがあります。

特に気を付けたいのが、無理やり食べさせようとすることです。

口を開けて押し込んだり叱りつけたりすると、犬は食事の時間を嫌なものと認識してしまい、ますます食べなくなる可能性があります。

また、すぐにおやつや人の食べ物を与えてしまうのも良くありません。

ドッグフードを食べないからといってすぐに別のものをあげると、「待っていればもっと美味しいものがもらえる」と学習してしまいます。

愛犬が食べるまで放置しておくのも、健康状態に影響を及ぼす恐れがあるためやめましょう。

不安なことがあれば、自己判断で様子を見続けるのではなく、すぐに動物病院に相談することが大切です。

愛犬がドッグフードを食べない時に関するよくある質問

まとめ

今回は、愛犬がドッグフードを食べない原因や対処法、理由の見分け方について解説しました。

愛犬がドッグフードを食べない原因には、体調不良、お腹が空いていない、わがまま、ストレス、好き嫌いなど、さまざまな理由があります。

まずは、おやつは食べるか、最近環境の変化はなかったか、口内トラブルはないかを確認して、原因を見極めましょう。

対処法としては、フードや食器を変える、食生活や運動量を見直す、与え方を工夫するなどの方法がありますが、食べない状態が続く場合や気になる症状があれば、早めに動物病院の受診をおすすめします。

今回の記事を参考に、愛犬の様子をよく観察しながら適切な対応を心がけてみてください。